季節は、夏───。
高村弘人は、大学二年生の長い長い夏休みを、怠惰にすごしていた。
そんな弘人に、ある日奇妙なバイトが持ちかけられた。
それは、遺産の相続人候補として、ある島に向かうというものだった。
叔父が、楽しげに話はじめた。
「ミステリーツアーって知ってるかい?」





舞台は、山陽地方近海にある八重垣島。
そこに残る古い血族八重津が、次の相続人を探している。
しかし、現在の当主には、相続するためのこどもがいない。
近親者も、島にはいない。
仕方なく、本土にいる遠縁を頼ることになった。
参加者は、ある日突然相続人候補だと言われて島に向かうことになる。


それがツアーの設定であった。

期間は五日間。

テストプレーであるため、遺産相続候補のモニターは弘人を含めて二人。
島で舞台を整えて出迎える登場人物。

これは周到に用意されたゲームであるはずだった。

だが、それが仕組まれた真実であったことを
弘人は知ることになる。

真夏の島の5日間
島と館と君の秘密
この世が終わる時に誰かと手をつなぐように
永遠を生きるならば誰と手をつなぐ?


「やっと、逢えたね…」